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カメラと僕の4年間 – 1年目の記録

誰もが通る初心者時代。でも、その時期にしか感じられない純粋な気持ちがあります。
今回は、2020年にカメラを始めて4年が経った僕が、特に思い入れの深い1年目の経験を振り返ってみようと思います。

最初の一歩

初めてのカメラとの出会い

SONYのα7Ⅲを手に入れた日のことは、今でも鮮明に覚えています。
レンズキットを開封した時の、あの独特の新品の匂い。
モニターに映る世界にワクワクした瞬間。
自分が今まで当たり前のように見ていた光景の全てが新鮮で、全てが新たな発見でした。

マニュアル撮影との格闘

カメラを手に入れてまもなくに友人との旅行で、初めてマニュアル撮影を教わりました。
「シャッタースピードってなに?」
「絞りってどうやって変えるの?」
理論がよく分からず戸惑いながらも、設定を変えるたびに変化するモニターと写真の奥深さに魅了されていきました。
友人との時間を放り出してひたすらカメラをいじくり倒していたのはいい思い出です。

街角スナップの日々

日暮里から上野への散歩撮影

スナップ撮影の光景を動画にしている海外のYoutuberを見つけて、空いた時間はその動画ばかり見ていました。それに感化され、自分も挑戦しようと思ったことがスナップ撮影を始めるきっかけでした。

初めてのスナップ撮影は、日暮里から上野までの道のりでした。
夜の街を歩きながら、ネオンの光を追いかけて、夜の街の独特な雰囲気を全力で楽しんでいました。
ピントが合わない写真ばかりでしたが、それも今となっては良い思い出です。

なぜピントが合わなかったのか、なぜ撮りあがった写真にザラつきがあるのか。
どのようにすれば防げるのかなんてこの時にはわかっていませんでした。

路地裏との出会い

この頃から、路地裏やレトロなものに魅了されていきました。
狭い路地に差し込む光、古い建物の質感、そこに暮らす人々の息遣い。
眼で見るだけではなく、シャッターを切ることで自分の記憶に焼き付ける。
それは今でも僕の大切なテーマの一つです。

初心者時代の教訓

重要な6つのポイント
• 露出の基本(F値、シャッタースピード、ISO)に集中する
• カメラのモニター表示だけを信用しない
• 水平・垂直を常に意識する
• Lightroomの基本操作を習得する
• 彩度調整は控えめに
• 早めにPCを購入する

そんなことを早めに気づいていれば、もっと違う写真が撮れていたのではないかなと思っています。

レタッチとの出会い


古いPCでのレタッチの辛さを知る

今思えば笑えるんですが、最初はPCのスペックがそこまで大切だと知らなくてかなり古いPCでレタッチを始めました。
当時はPC自体の操作も今以上に疎く、Adobeのアカウントを登録するだけでも時間がかかったと思います。
ようやくインストールしたLightroomでいい写真に仕上げられるかと思いきや
彩度を上げまくって、「おー!めっちゃ映える!」なんて喜んでいた時期もありました。
今見返すと「なんでそんなに青いんだ…」って感じですね。
何か明るさを変えようとしただけでパソコンが沈黙してしまう。
パソコンはカメラと同じくらいに大切な道具の一つだとこの時に気づけば良かったと振り返っています。


色への執着


Lightroomを触るようになってから特に印象に残っている出来事は
映画などでよく使われるTeal&Orangeという色との出会い。
これに気づいてからというもの、何でもかんでもTeal&Orangeで仕上げようとしていました。

なんでもハイライトはオレンジで、シャドウはティールにすればエモい。
それに、“ブルー”という色はなんでもカッコよく魅せてくれる。

そんな今では考えられないことを当時は信じていましたが、この試行錯誤が今の自分の色の感覚を作ってくれたのかもしれません。


Tealとは
映画の“Joker”はTeal&Orangeをベースにしたカラーグレーディングが取り入れられています。
暗部に青緑が入っています。


とにかく何でもティールやブルー系にしてしまえば映えると思っていました。
構図などは今見ても悪くはないかなと思っていますのでこの時に色彩感覚のセンスを伸ばすことに注力するべきでした…

レタッチ後と元データ

Retouching from 4 years ago Original data

望遠レンズとの格闘


TAMRON 70-180mm F2.8との日々


ずっとキットレンズを使っていましたが、望遠レンズの世界観に憧れを持ち始めました。そうして手に入れた初めての望遠レンズ。
「これで遠くのものも撮れる!」って意気込んで購入したものの、最初の頃は全然使いこなせませんでした。
手ブレするわ、ピントは合わないわ、ズームしたらどこを写そうとしているのか分からなくてなったりと、とにかく脳が追いつきませんでした。
今考えると、もう少し基本的なレンズで練習してからでも良かったかもしれません。

圧縮効果との出会い

ただ、望遠レンズならではの圧縮効果に出会えたのは大きな収穫でした。
圧縮効果によって遠くのものと近くのものの距離感がギュッと詰まり、圧縮された状態になるこの不思議な感覚は標準レンズとは全く違い、とても新鮮でした。

この発見は、今でも撮影の幅を広げてくれています。
望遠レンズはただ遠くのものを写すだけじゃないんだと新しい気づきでした。


京都での気づき

魅力
的な風景の宝庫である京都での撮影は、僕の中で大きな転機になりました。
1本違う通りに入ると景色が大きく変わる京都の路地で、光と影のコントラストの面白さに気づかされました。
古い街並みと現代が混在する風景は、今でも僕の心を掴んで離しません。
何かと何かが混在する。その差が大きければ大きいほど面白い世界になると僕は思っています。



構図への意識


三分割構図に固執していた時期もありました。
でも、京都での撮影を通じて、必ずしもルールに縛られる必要はないことに気づきました。
時には、感覚的な構図の方が魅力的な写真になることもあるんです。
マス目の交点に被写体を置くだけで写真が上手くなるわけではありません。
僕は今でも日の丸構図ばかりです。

3分割の交点に
メインの被写体を置くことも大切だがもっと自由でいいと思うんだ。

撮りたいものは
真ん中に置くだけでいい。


1年目で学んだこと


大切にしたい気持ち

• 純粋に撮影を楽しむ心
• 新しいことへの好奇心
• 失敗を恐れない勇気

これからカメラを始めてみよういう方へ


カメラって本当に面白い趣味です。
最初は設定に戸惑うかもしれません。難しいイメージがあると思います。
でも、それ以上に「撮れた!」という喜びの方が大きいはずです。

特に大切なのは、自分の目で見て「いいな」と思ったものを撮ることです。
SNSの「いいね」や他人の評価を意識しすぎる必要はありません。
自分の心が動いた瞬間を切り取ることから始めてみてください。

最後に

4年前の自分を振り返ると、技術は未熟でも、純粋にカメラを楽しむ気持ちは今以上に強かったように思います。
その気持ちを忘れずに、これからも撮影を続けていきたいと思います。

初心忘れるべからずではありませんが、初めての頃のワクワク感や刺激を
いかにして持ち続けていられるか、これは趣味以外、例えば仕事やなどでも
大切であると僕はカメラから教えてもらいました。